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モグといたずらぎつね

Mogu3 昨年、ジュディス・カーの新刊が出たと喜んでいたら、『モグ』シリーズ第三弾が続けて出ました。『モグといたずらぎつね』(あすなろ書房)です。今回はきつねの親子がモグの家に入り込んで台所で大はしゃぎ。『おちゃのじかんにきたとら』(童話館出版)といい、この著者はつくづく動物が好きなようです。

  ジュディス・カーと言えば、どうしても登場人物のファッションセンスに釘づけになってしまうのですが、今回もそうでした。モグの家のおかあさんの緑のチェック柄のプリーツスカートに、グレーのドッド柄のタイツなんて組み合わせはもう脱帽もの。女の子のピンクと水色のダイヤ柄のタイツも目を惹きます。あ!女の子のタイツは、『おちゃのじかんにきたとら』の女の子とほぼ同じでした。ダイヤ柄が格子柄になっている違いだけ。組み合わせるスカートの色の紫まで一緒でした。とても真似できないレトロ可愛いセンス!
 
  しかし、『モグ』シリーズは、『おちゃのじかんにきたとら』と比べて、全体的に色調が薄いのです。色合いは同じなのですが、インパクトが違うのです。『モグ』シリーズは、絵の輪郭がぬり絵のように線で描かれていて、その輪郭の中を色鉛筆で塗って描いたかのように見えます。『ラチとライオン』(福音館書店)で不動の地位を確立しているマレーク・ベロニカにも言えると思うのですが、作風が完璧にかちっと定まってはおらず、作品によって多少「絵」に変化のある作家のようです。

  ああ、それでも新刊が出る度買ってしまうんだろうな、ジュディス・カーの絵本は。この『モグといたずらぎつね』でも、きつねのいたずらのおかげでまたもやほめられてにんまり笑うモグの顔には、脱力系のカワイさが・・・。

モグといたずらぎつね 」 ジュディス・カー/あすなろ書房/1,470円/ 9784751525104

池袋本店 山井洋子

2月 27, 2008 絵本・童話 |

どんなにきみがすきだかあててごらん

HaruNatu チビウサギとデカウサギの、ただもう、ひたすら一途な愛情を描いて人気の、「どんなにきみがすきだかあててごらん」の姉妹編が、一寸小振りな持ち易いサイズで、四季折々4冊揃いました。

擬人化しながらも、野うさぎの自然な動きを的確に捉えた描線と優しい色調に惹きつけられます。

春には、土から顔を覗かせたばかりの柔らかな若芽や、空色の卵、小ちゃなオタマジャクシを仲良くのぞきこみ、夏には、生い茂った青草の匂いに包まれた水辺でトンボの羽音を聞きながらまどろみ、秋には、落ち葉と一緒に風で吹き寄せられて来た
茶色い箱で遊んでみます。冬には一面に降り積もった雪の照り返しが、幸せな2匹を輝かせます。

そして全編からあふれる、あなたが大好きで大好きでたまらないよ!一緒にいられて嬉しいよ!と云う、何一つてらいのない、真っ直ぐな信頼と愛情には、ほんわか幸せな気持ちにならずにはいられません。

Aki_2Fuyu_2子供には、自分が無条件に愛されている安心感を与え、大人に は、忘れてしまった、いや、気恥ずかしくて忘れたふりをして心の奥底にしまいこんでしまった素直な優しさを引き出してくれる作品です。

はるのおはなし/9784566008670
なつのおはなし/9784566008687
あきのおはなし/9784566008694
ふゆのおはなし/9784566008700

サム・マクブラットニイ 文/アニタ・ジェラーム 絵/評論社 各840円(税込)

池袋本店児童書 高尾素子

2月 7, 2008 絵本・童話 |

ねにもつタイプ

Nenimotu それほど反射神経が悪いわけでもないのに、たいして冒険したり挑戦したりの「ならず者」でもないのに、死ぬかと思ったことは今までに何度かあった。しかもものすごく相当間抜けな事情で。家族はあまりのありえない話に大笑いして心配は後回しだし、あとあと友人に話してもねぎらいの言葉もない。
流血しているのに!腕もぷら~んと骨折れてます!のに。

たぶんそういう人は何人かの割合でいるように思う。ルールを設定されているのにそれになじめない、その枠で考えられない。はなからそこから逸脱している。そこにいろといわれているのに、じっとしていられない。他人から見ればありえないことばかりが頭に浮かんで、ふらふらとそれに手を伸ばしやってしまう。自分でも恥ずかしさより前に、どうしてそうなったのか、そう思ったのか自分に不思議でならない。

岸本さんのエッセーは、そんなわたしなど及びもつかないほどの不思議さにあふれ、もちろん、いくつあっても命が足りぬ生活をおくってきたであろう。いやきっと二つくらいは命をもともと持っていたのではないか?と思う。きっとそうに違いない、すでにもうひとつくらいはなくなってしまっているに違いない。
まっすぐに正解の道にすすめる子をうらやんだことはいくらでもあるが、もうこの歳になっては戻ることも治すこともできず、あきらめの境地もある。そう思えるのもこの本のおかげです。だから好きな本。

岸本佐知子/筑摩書房/1,575円/9784480814845

渋谷店 原田真弓

2月 5, 2008 だから、大好きな本 |