平常心
みなさんは、サッカーの試合の面白さは何で決まると思いますか?
選手の技術? サポーター? 監督? 観客数? 対戦相手のカード?
そのどれも正解ですが、ここ数年感じるのは「審判次第だなぁ」ということです。
私も普段よくスタジアムにサッカー観戦を楽しもうと足を運びますが、たいていの人にとってそれは一日仕事です。
荷物には、お弁当やお菓子、飲み物の入った水筒。そしてもちろん応援しているチームのタオルマフラーやユニフォーム。
試合開始の3時間前にはスタジアムへ向かい、入場した後はお菓子を食べたり、持ってきた文庫本を読んだり、これまた常に持っているJリーグ選手名鑑を見て相手チームのスタメンや戦術予想をしたり。
しかし、どれだけ盛り上がっていた試合でも、負傷者や退場者があまりにも続出するような試合は面白くありません。誤審で退場者がでるなんてもってのほか。試合は審判がいかにコントロールできたかによって面白さが決まると言っても過言ではありません。それを今一番日本のサッカー界に浸透させてくれるのが、W杯でも笛を吹いた上川氏です。
プレーヤーから審判に転向し、やがて国際審判になるまでが、各国とのサッカーや審判の比較をまじえて描かれています。
ただ笛をふくだけではない、ただカードを出すだけではない。
選手との信頼関係の上にこそ、ゆるぎない審判をくだすことができるのだということを体現した上川氏。今後の日本サッカー界の審判レベルの向上にきっと貢献してくれることでしょう。
サッカーを選手でもなくサポーターでもなく、審判の目線で見てみるのも面白いですよ。
上川 徹/ランダムハウス講談社/1575円/4270002050/978-4270002056
別府店 祐保博美
